お稲荷様の正しい由緒

『ウエツフミ』には、お稲荷様のご由緒が詳しく書かれています。

 

ニニギの命は、天孫降臨するとさっそく、農業生産を指導する神々を指名します。


まず、トヨウケ彦トヨウケ姫の夫婦神に命じて、その26人の子供たちと、その他の6人、合計32人(16ペア)に専門教育を受けさせました。
その教師役が、ククノチの命と、カヤヌ姫です。

そして、この32人の子供たちが、それぞれ分担して専門分野を受け持つことになります。
長男のイナヨリ彦イナヨリ姫は、「真稲づくりを指導する神様」となりました。
単に見守るだけではなく、「輪中」などの農業技術を実際に指導しています。

これが「お稲荷様」の起源です。

つまり、稲の栽培を司る神である「イナヨリ様」が、なまって「お稲荷様」となったか、「稲生り様」から来たものと思われます。

そして、最後にククノチの命と、カヤヌ姫は、植物たちに実を結ばせようと、天の御食清水をかけて、フクシ(農機具の一種)で耕しながら、こう命令します。
「汝らは、もの言わぬ神であるが、心があるなら、この命令に従って、人民の朝晩の楽しみである食事となるため、千々の実を結びなせ!」
そこで、農作物たちは多くの実を結びました。
【原文】http://www.coara.or.jp/~fukura/uetufumidata/uetudata.php?tno=10&sno=25&lnox=6

 


だから、ちまたで言われているように、お稲荷様は秦氏の伝えた神ではありませんし、外国の神様でもありませんでした。


ただし、その後、お稲荷様が「商売繁盛の神様」となっていることや、キツネや油揚げとの関係については「ウエツフミ」にも記述がありませんので、ここに秦氏の影響が入っている可能性は大いにあります。
つまり、極端な表現をすれば「乗っ取られた」ということでしょうか?

別の見方をすれば、お金儲けのビジネスとして改良されているともいえます。

さらに、その両親であるトヨウケ彦トヨウケ姫(別名豊岡姫)は、この2人を総称して「宇迦之御魂」つまり「(地上ではなく)天上界の食物と穀物を司る神様」と呼ばれ、神々の食事である「大贄」を担当していたのですが、そのご由緒もあいまいになったまま、伊勢神宮の天照大神の脇神として「外宮」に祀られています。

ちなみに、「オオケツ姫」も農作物の神様ですが、時代が全く異なります。
この神は、スサノオが降臨する前に讃岐に降臨した神であるとウエツフミは伝えていますので(だから徳島県のことをオオケツ姫の国=オオケツ国と呼ぶ)、スサノオ一族との間で政権交代があったのではないでしょうか?
オオケツ姫の体から生まれた農作物は、稲・麦・黍・稗・白豆・赤豆・八重豆・粟・笹実・カトミ・キキビ・アマガラ・ヨタマ菜・カイコですから、これらが縄文時代後期の主食であったと考えられます。
つまり、オオケツ姫⇒スサノオ⇒大国主⇒ニニギ⇒トヨウケ姫⇒お稲荷様という流れで、農業も進化してきている訳です。

そして、毎年の豊作・凶作を決めているのが「大年の神」です。

だからお正月や、収穫の秋にはこの神様をお祭りするのです。

一方、「古事記」では、豊受姫を(オオケツ姫を殺害した)スサノオの子であるとして、あえて対立関係を作り出し、「日本書紀」では本文ではなく別伝として、「イザナギとイザナミが飢えて気力がないときに産まれた神」としていますが、私には、日本国が五穀豊饒にならないように呪縛がかけられているとしか思えないのですが・・・・。

いずれにせよ、ニニギの命と農業を司る神様たちは、ことごとく抹消されているようです。
これでは、TPPで外国の農業にやられてしまっても無理はありませんよね。

 


【関連記事】『オオケツ姫の指導で、天照大神が農業を始めた!』
その後の調査で、お稲荷様の主祀神はオオケツ姫であることが分かりました。
「通りすがり」様のご指摘のとおりですね。
お詫びして、訂正させていただきます。
詳細は、こちら

 

コメント: 3 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    siraki (火曜日, 16 2月 2016 12:04)

    韓国語と韓国の古代史に対して何も分からないようです。
    伊農 伊那、任那というのは赤い 日を言うこと、これは常識です。
    韓国人の古代から哲学思想は 天、地、根(地下)で成り立つが。
    年というのは 地を意味、すなわち。.天の 高天原の相対的な概念が 地の 年

    稲荷と言えば普通,新羅の 辰旦王を意味して
    これはいわゆる新羅の 秦氏の系統ではないです,
    しかしその 名は 山の 名で由来する見なければならないようで
    普通政治的に立てる 神社は一般的に新羅の 三神を全部仕えるのが一般的です。

    宇迦之御魂は太陽の 大新羅王。成斯廬王
    配神として以下新羅の 辰旦王を含んで 二神になっていると思うことが妥当です。

    伏見稲荷。.豊都美 伊那礼。.これの意味は 太陽の王の新羅王の意味です。
    都奴賀というのは元々そうなのです。

  • #2

    siraki (火曜日, 16 2月 2016 12:59)

    翻訳上のエラーの修正

    主神の 宇迦之御魂と
    配神として残り 二神を含んで
    ---> すなわち 祭神 新羅の 三神

  • #3

    通りすがり (金曜日, 04 3月 2016 04:36)

    伏見稲荷 祀神は宇迦之御魂大神 となっておりますが延喜式では「三座」との記載です、
    伏見稲荷大社の公式HPに記載される神は

    宇迦之御魂大神 佐田彦大神 大宮能売大神

    この中の大宮能売神は「古語拾遺」にしか登場しない、つまり「忌部」の伝承でしか「大宮能売神」と呼ばれていない神なのです。

    稲荷大神秘文には豊受の神の流を宇迦之魂命と生出給ふとあり
    伏見稲荷大社に祀られている「稲荷神 宇迦之魂命(倉稲魂)」は伏見の土産神ではなく、伊勢より分霊された神ではないでしょうか。

    伊勢神宮の神道五部書「御鎮座伝記」の調御倉神の部分を見てみますと。
    宇迦之御魂大神の別名を保食神、また大宜都比売神と号すと記載されています。

    伊勢神宮の神道五部書 豊受皇太神御鎮座本記に
    天村雲命伊勢大神主上祖也。神皇産霊神六世之孫也。阿波國麻植郡座忌部神社、天村雲神社、二座是也
    これだけで、詳しい説明は不要かなとも思いますが...
    阿波國に座す二社が皇祖皇統の正統なる末裔であると記してあるのです、

    これで忌部とつながりますね。

    つまり伏見稲荷大社の主祭神は「大宜都比売神」なのです。

    大宜都比売神は古事記に4度も出てくる阿波国の穀霊です、


    京都の伏見は稲荷神の総本社ですが、その伏見稲荷の元社は上一宮大粟神社でありその為、社殿及び内部は朱色であり朱の色は水銀朱の色であると宮司からお伺いしています。

    参考に大宮能売神を祀る神社を記載しておきます。

    伏見稲荷大社 京都府京都市伏見区深草藪ノ内町
    諏訪大社下社秋宮 境内 稲荷社 長野県諏訪郡下諏訪町5828
    北野天満宮 境内 稲荷社 京都府京都市上京区馬喰町
    大宮姫命稲荷神社 京都府京都市上京区主税町
    天太玉命神社 奈良県橿原市忌部町字一ノ道152
    石上神宮 境内 七座社 奈良県天理市布留町384
    宇奈多理坐高御魂神社 境内 大宮媛社 奈良県奈良市法華寺町600
    厳島神社 広島県廿日市市宮島町1-1
    大宮売神社 京都府京丹後市大宮町周枳(すき)

    そして
    京都押小路家所蔵の延喜式神名帳の注記部分に祭神「大宮売神」と記されている神社が。
    「天石門別八倉比売神社」 論社 上一宮大粟神社