日本人の祖先であるニニギの命が天孫降臨したとされる「祖母山」ですが、
ここは深い深い原生林に覆われた豊かな大自然そのもので、つい最近まで不思議な生態系が残っていました。
今回は、その実例報告として、私の体験談を中心に紹介します。
熊は確実にいる!父が目撃したツキノワグマ
まず、ツキノワグマですが、最近になっても目撃情報が相次いでおり、熊が生息してることは紛れもない事実です。
なぜなら私の父親が実際に目撃しており、雑誌に記事を書いているからです。
私の父親は竹田営林署に勤務するかたわら、狩猟を趣味としており、当時ハンターたちのあいだで読まれていた『狩猟会』という雑誌に投稿記事を書いていたのです。
◆祖母山で熊が最後に捕獲されたのは、1987年(昭和62年)のことですが、地元の猟友会が熊を射殺したという知らせが飛び込み、私の父もかなり興奮してさっそく現地に駆けつけました。
そのときの様子を、写真とともに雑誌『狩猟会』に投稿したのです。
◆この際に捕獲されたのは、ツキノワグマの小熊でしたが、
九州大学の土井先生という人が調査した結果
「人に飼われていた可能性が高い」という結論になりました。
当時、九州で熊を飼っていたのは阿蘇の「熊牧場」だけだったので、
私の父がここを取材して「逃亡した可能性を確認した」のですが、完全に否定されたそうです。
つまり、どこかから逃げ出した可能性は低いということです。
それに、この熊の親たちはどこにいたのでしょうか?
◆その後、2012年に『日本熊ネットワーク』という団体が、祖母山で本格的な調査を行ないました。
1987年に捕獲された最後のツキノワグマのDNAを調べた結果、
(1)北陸地方に生息する固体種と同じ遺伝子を持っていた。
(2)それが、どういうルートで九州に入ったのかは不明。
という結論になり、結局、分らずじまいということで終わっています。
このときの経緯が、下記のサイトにまとめられています。
⇒NHKによる解説「九州に熊は存在するのか?」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/123126.html
残念ながら、これ以降目撃情報はあるのですが、捕獲された熊という意味では最後のケースとなってしまいました。
ニホンカモシカがワナにかかる! 2015.1.5
これも、祖母山では普通に目撃された「深山の住人」でした。
昔は、田舎の古家を訪れると、広間の床の間などの目立つ場所に「ニホンカモシカ」の首の剥製がデーンと飾られていたものです。
あるいは普通のシカだったのかもしれませんが・・・・。
子供心にも「下品な趣味だなあ」と、目を背けたくなったので、深く追求しませんでした。
もちろん今は特別天然記念物に指定されていますので、そんなことは出来ませんが・・・・。
◆2015年の1月5日にも、宮崎県の高千穂町で、
「ニホンカモシカがワナにかかる」という報道がありました。
いまでも、間違いなく生息しているようで、ひとまず安心。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150106-00004326-miyazaki-l45
http://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_10138.html
オオムラサキは、お気に入りのコレクション
小中学生の頃、蝶々の採集が趣味だった叔父さんに連れられて、白いネットを持って神原渓谷あたりで、蝶々を追いかけ回した時期がありました。
このときの本命は、国蝶である幻の「オオムラサキ」でした。
当時、祖母山系では、深い山でなくても里山のあたりをこのオオムラサキが普通に飛び回っており、私も平田地区あたりで捕獲しています。
また、「コムラサキ」のほうはもっと多くて、私もニレの木の下からサナギを発見して、孵化させたこともあります。
さらに、大分市の霊山の裏側からは「イシガキチョウ」も採集していますが、私が目撃したのはこの一度だけでした。
これらのコレクター垂涎の蝶々たちは、今はどうなっているのか確認していませんが、多分居なくなったと思います。
「祖母傾山系をユネスコエコパークに」 宮崎県側の推進協議会発足
幻に終わったツチノコ発見談
この叔父さんと一緒に祖母山の原生林に踏み込んだときのことです。
足元の渓流で、伝説のツチノコを発見して大喜びしたのですが、なんとよく見ると大きな蛇が大きなカエルを丸呑みしようとして動けなくなっている無様な姿でした。
でも、この世のものとは思えないその醜悪なビジュアルは、神秘的であり、まさに平地では目撃できない貴重な体験でした。
当時、受験勉強しながら聞いたラジオ大阪の深夜番組「ヒットでヒットバチョンと行こう」のなかで、司会の浜村淳がツチノコのことを熱く語っていました。
私もこれに刺激されて、さかんに探し回ったのですが、ついに発見することはできませんでした。
ツチビノキは、世界でここだけの花
これは、私も見たことが無いのですが、大崩山の周辺には「ツチビノキ」という植物が生息しており、世界でもここにしか生えない珍しい植物なのです。
この植物名の由来は、「土に生えるヒノキ」という意なのですが、なんだかダーティーなイメージがして、ネーミング的には失敗ですね。久住山の「ミヤマキリシマ」とは対照的です。
高さ1mくらいの低い潅木に、6月から7月にかけて妖艶(ようえん)なピンクの花を咲かせるそうなので、ぜひ一度、見てみたい!
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/seikatu/miyazaki101/aji_hana/085.html
豊富な鉱物資源は、「隕石衝突説」の証拠か?
ところで、大崩山といい、小崩山といい、鉾岳(ホコダケ)といい、花崗岩の奇岩がむき出しになった幽玄美の世界で、まるで山水画のような景観です。
しかも、大崩山の周辺からは水晶が産出するらしいのです。
通説では、これらの地形は「強い熱エネルギーを受けた結果である」とし、その熱源として火山の噴火をあげていますが、詳しくは分っていないというのが実体のようです。
私は、「祖母山は隕石が衝突して出来たクレーターである!」と主張しているのですが、誰も賛同してくれる人が居ません。
大崩山や小崩山あたりの、まるで何かが衝突して崩壊したような地形は、東方向から飛んできた隕石との衝突により、隆起地形がえぐられたのではないかと考えていますが、どなたか、専門家の方は検証をお願いします。
⇒詳細は、こちらから。
『ウエツフミ』の記述でも、ニニギの命が天孫降臨する場所として、この地が選ばれた理由のひとつに「鉱物資源が豊富だから」と、書かれています。
⇒詳細は、こちらから。
現在でも、「エメリー鉱」という超希少な鉱物が産出していることをご存知でしょうか?
このエメリー鉱、世界的にみても、ここ祖母山とギリシャなど、限られた地域にしか産出しないのです。
しかもダイヤモンドよりも固い鉱石で、現状では研磨材としての利用方法くらいしか見つかっていません。
下記のサイトでも、これは「隕石または隕鉄である」と、書かれています。
http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_emery.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigenchishitsu1951/12/56/12_56_346/_pdf
「電気石」という希少な石も産出するらしい。
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/labs/mdcl/lab/denken/wordpress/?page_id=314
「天照石」を紹介する下記のサイトでも「隕石衝突の証拠を発見」と、書かれている。
http://saiki.tv/~sanwa38/tenshou.html
私は、このエメリー鉱を何らかの方法で精錬したものが、幻の「ヒヒイロカネ」ではないかと思うのですが、ここから先はオカルトの世界に入ってゆきますので、あまり詳しくは詮索しません。
※オウム真理教は、このヒヒイロカネを信者に配っていたそうです。また「竹内文書」にもその記述がありますが、「ウエツフミ」には何も書かれていません。
いずれにせよ、この山には、何か“宇宙との関連”にかかわるような、未知の鉱物が産出しているようです。
一角獣---ユニコーンが祖母山をウロウロしていた。
なんと、祖母山には一角獣も居たのです。
ヨーロッパでは、ユニコーンと呼ばれる想像上の生き物ですが、祖母山には角が一本だけ生えた馬がウロウロしていたそうです。
明治の頃といいますから、今はまだ残っているかどうか分りませんが、下記の記事によると「その角が高千穂町コミュニティーセンターに保管されている」そうなのです。
http://takachiho88.net/guide/gokasho/sobo/sobo2.html
↑↑↑(短い記事なので、ぜひ読んでみてください。)
先日、「メン・イン・ブラックⅢ」という映画を見ていたときにも、このユニコーンが登場して驚きました。
(私が何かを書こうとすると関連する映像がテレビで流れるようになった?)
ある宇宙人(グリフィン)が絶滅寸前になり、「まるでユニコーンのようだ・・・・」と、二人の主人公がコメントするシーンがあるのです。
もしかしたら、ヨーロッパにも本当に存在していたが、その後何らかの理由により絶滅したのかもしれません。
あるいは、ユニコーン自体が宇宙由来の生物であり、それを目撃した人の記憶が「ニューラ・ライザー」で、消されているのかも・・・・。
MIBたちも、九州の奥地までは目が届かなかったようですね。
その証拠がまだ高千穂町に残っているというのですから、単なる作り話として終わらせずに、ぜひ科学的な検証をお願いしたいものです。
最後に・・・・
このように、祖母山に特別な生態系が残っているのは、それが特別な山だからなのです。
皮肉なことに、私の父が勤務していた営林署が、原生林を伐採して、杉や檜を植林してしまったことは事実であり、今からすればそれは大きな間違いでした。
さらに、その針葉樹を伐採するため、かなり深い奥地にまで広域林道が整備されました。
その結果、不思議な生物たちや、神秘的な霊気が失われてしまったのは誠に残念なことです。
それを「進歩」とか「発展」とか呼べるのでしょうか?
人類には、まだまだ学ぶべきことが多いようです。
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