ホホデミのお使いに招かれた!
2023年1月のとある日、私こと、なんと“山椒魚の集団受精パーティー”に招かれてしまいました。
招待してくれたのはオオイタサンショウウオという珍しい両生類で、100匹ほどがウジャウジャと小さな池に集まって、中心に置かれた袋状の卵に、集団で受精を行っている真っ最中でした。
その光景は、まさに乱交パーティーならぬ、乱受精パーティー!
どれがオスやら、どれがメスやらも分からないほど、ぐちゃぐちゃに入り乱れて何層にも覆いかぶさる若者衆たちと、それを遠巻きに囲んで眺めるかのような年寄衆たち、そんな神秘的な儀式が直系5mほどの小池で繰り広げられていたのです。
ちなみに、私が書いた再現イラストを添付します。(下手な絵でゴメンなさい)
しかも、ここはとある神社の境内。
普通の場所ではなく、明らかにパワースポットらしく、ユニークな地層に囲まれた、まさに秘密の湧き水なのです。
(彼らの安全のため実際の地名は伏せておきます)
「なぜ彼らは私を招待したのだろうか?」
「きっと何かの意味があるに違いない。」
その夜は、眠れなくなりました。
私がここを訪れたのは偶然か?
そもそも私は、この山椒魚を見るためにここを訪れた訳ではありません。
普段からよく通る自動車道のそばに、いつも気になる神社があったのですが、なぜかその日に限ってふっと「行ってみよう!」という気分になったのです。
ときあたかもお正月ですから、初詣の延長といった感じでしょうか?
しかも最初は、イモリの大群だと思っていたのです。
それがなぜオオイタサンショウウオだと分かったのか?というと・・・・
イモリは私の子供の頃からのお友だちであり、そのお腹が真っ赤なことはよく知っていました。
でも、こいつらのお腹は赤くありません。
さらに彼らは、イモリよりは一回りほど大きくて、プクプクと太っているような感じです。
決定的な違いは、帰ってからWebで検索してみて初めて分かりました。
そこには、こうあったのです。
「イモリなどのイモリ亜目はメスが体内に精子を取り込み産卵時に受精させる体内受精を行うが、サンショウウオ亜目は産卵後にオスが放精する体外受精によって受精する。」
つまり、私はカエルのような袋状の卵を目撃しているので、明らかにこれはイモリではありません。
さらに、オオイタサンショウウオと呼ばれる小型の山椒魚が、大分県周辺だけに棲息していることも、このとき初めて知りました。
一体はったい、山椒魚が集団で受精するシーンに遭遇した人が、日本中に何人いるでしょうか?
「きっとこれは、単なる偶然ではない。」
「私は誰かに招かれている!」
そう考えた私は、二日後、再びその現場を訪れてみることにしました。
「証拠写真を撮ってやろう」というヨコシマな魂胆に取りつかれたのです。
そして誰も居なくなった
すると・・・・、なんということでしょう!!!
そこには、誰も居ないではないですか!!
祭りのあとの、もぬけのカラ状態です。
あれだけ群がっていた山椒魚たちは、一体どこに行ってしまったのでしょうか???
わずかに、袋状の卵だけがひっそりと隠れるように残されていたのです。
「そうか、集団受精パーティーは、あの日限りのワンデイ・カーニバルだったんだ」
「それにしても一体、誰が私を招待したのだろうか?」
「なんとしてもこの命題を解明して、後世に伝えなければ」という思いがフツフツと湧いてきます。
手掛かりとなるヒントのひとつは、××神社の御由緒書です。
そこには、「その昔、日照りが続いて人民が苦しんだとき、この池に龍神が顕れて、雨を降らせてくれた」とありました。
「一体、龍神って誰なんだ???」
「サンショウウオが龍神という意味なのか???」
「いやいや、もっと深い意味があるはずだ」
迷ったらウエツフミに聞け
大混乱してきた私は、自分の研究分野である『ウエツフミ』に聞いてみることにしました。
すると、なんということでしょう?
『ウエツフミ』には、ちゃんと答えが書かれているではないですか。
そこにはこうありました。
「ホホデミの遺骸は××山の西、△△の御陵に埋葬された」
ここにいう「××山」こそ、私がオオイタサンショウウオの集団受精に遭遇した場所です。
そして「△△」という地名は、いまでも存在しています。
つまり、山椒魚は、ホホデミの命(幼少名を山幸彦という)のお使いだったのです。
ホホデミの命こそが本当の龍神であり、そのミニチュアの姿をした山椒魚たちが、そのお使いとして、この場所を三千年間も守り続けてき、ということだったのか!
私はその埋葬場所を確かめるため、山椒魚が目撃された小池の裏山に登ってみました。
すると、ちゃんとあるではないですか!
鬱蒼とした原生林に囲まれて、誰の眼にもつきにくい秘密の場所。
そこはまさに「王家の谷」。
そこは、都会のど真ん中にポッカリと空いたエアポケットか、それとも真空地帯か?
あまりにも有名すぎる場所だけに、誰しもが「まさか」と見逃してしまいそうな最高の聖地。
深い森に囲まれたその場所には、おそらく誰も立入ったことのないであろう静寂さと荘厳さが漂っていました。
「ちゃんとそのことを知っていて、守ってくれている人が居るんだ、今でも!」
そう確信した私は、なんだかありがたさに涙が溢れてきます。
山椒魚よ、永遠に!
「ここだ、ここだ、ここに来いということだったんだ!」
帰りの車を運転しながら、なぜだか大笑いしている自分が居ました。
季節外れの天気雨に打たれながら、雲間から顔を出した夕陽も一緒に喜んでいるように見えたのです。
父親は祖母山に降臨した天孫族の末裔・ニニギの命。
母親はオオヤマツミの娘である山の龍神・コノハナサクヤ姫。
その母親が身の潔白を証明するために、燃え盛る炎に飛び込んだとき生まれた火の龍神・ホホデミの命。だから「火火出見」という。
そこに嫁いできた海の龍神であるトヨタマ姫。
そして、天地火水が合体して、最強のウガヤフキアエズ王朝が誕生し、新しい時代・弥生時代が始まる。
その証拠がここにあるハズなのだが、今はそっとしておこう。
そのうち、表に出るべきときが、きっと来るに違いないから。
ありがとう、オオイタサンショウウオたちよ!
絶滅しないよう、末永く後世の人たちにこの場所を伝えて欲しい。
【追記】さてさて、文中では実際の場所が分からないようにしましたので、ぜひここを訪れてみたいという方は、個人的にご連絡ください。
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古屋公夫 (木曜日, 19 1月 2023 20:17)
穂穂手見命(山幸彦の)陵墓はどこなのか?は小生がもっとも知りたいことです。
ご教示頂けますと幸いです。
MIX (金曜日, 20 1月 2023 11:37)
お久しぶりのブログで、”継続中”を確認し安心しました。
最近はまっているYouTube動画、TOLAND VLOG と合わせて古代史研究のパートナーとさせてもらっております。古代シュメール(海外ではスメル≒統べる?)の言葉(ウルク文字)とも似ていると言われる豊国文字で記されたウエツフミの内容もまだまだ理解していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
オオサンショウウオ以外にもオオイタサンショウウオという種がいたのですね。写真見るとかわいらしいですね!
のりち (日曜日, 29 1月 2023 17:20)
本当の歴史が知りたいと、いつも楽しみに拝読しています(^^)
今日の記事はとてもユーモアにあふれていて
楽しく読めました!!
偶然はなく、全ては必然だと言われていますから
きっとお呼ばれされたのだと、私も思います
オオイタサンショウウオの画像、メスなのでしょうか?
可愛らしく、色っぽいお顔をしていますよね�
a (木曜日, 16 3月 2023 21:10)
こういうの見つけました
https://twitter.com/N4er5BANKPkQFQe/status/1635955356219363334?cxt=HHwWjMDSvdKuirQtAAAA